【成人病患者の数】2019.04.25
※2018.08.08の記事に、2017年度の総患者数データを追加して再掲載しました。
厚生労働省のデータから、気になる患者数を調べてみました。
1996年と2017年を比較すると、現代を映したような結果が見えました。
特に男性の増加率が大きく、女性も高脂血症は大幅に増加しております。
共働きの増加によって中食や外食が増えたり、ストレスの多い社会となったことが影響しているようにも捉えられます。
厚生労働省 患者調査の概況 平成29年(2017年)
厚生労働省ホームページ http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html
◎総患者数(入院患者数と初診外来患者数と再来外来患者数(計算値)を足した推計値)
単位:千人 2017年欄の(%)は1996年との対比性別 | 男性 | 女性 | ||||||
年度 | 1996 | 2005 | 2014 | 2017 | 1996 | 2005 | 2014 | 2017 |
高血圧性疾患 | 2943 | 3126 | 4450 | 4313 (146.6%) |
4551 | 4691 | 5676 | 5643 (124.0%) |
高脂血症*1 | 260 | 427 | 596 | 639 (245.8%) |
705 | 1103 | 1465 | 1565 (222.0%) |
糖尿病 | 1133 | 1323 | 1768 | 1848 (163.1%) |
1042 | 1147 | 1401 | 1442 (138.4%) |
悪性新生物 | 684 | 792 | 876 | 970 (141.8%) |
679 | 630 | 750 | 812 (119.6%) |
気分(感情) 障害*2 |
159 | 338 | 418 | 495 (311.3%) |
274 | 586 | 700 | 781 (285.0%) |
*1 中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたした状態。「高脂血症」から2007年に
「脂質異常症」に名称が改められた。
*2 躁鬱病を含む
塩分が多ければ高血圧症(これによって傷ついた血管にLDLコレステロールが沈着すると動脈硬化となる)、高脂血症(脂質異常症)は脂質の多いものや高たんぱくやカロリーの取り過ぎ、糖尿病もカロリーの取り過ぎが原因となるようです。 カロリー取り過ぎといっても、体型を気にした過度なダイエットも体にはよくないとのことです。
参照元 e-ヘルスネット(厚生労働省 健康情報サイト)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・・・もっと知りたい方・・・
1-1 高血圧・・・日本人は4000万人いるらしい
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html
日本人の高血圧の最大の原因は、塩分のとりすぎです。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。 飲酒・運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
高血圧症の予防に欠かせないのは、塩分摂取量の制限です。1日の塩分摂取量は7~10g程度が目安であるため、薄味にして、醤油・ソースなどの調味料は極力控えることです。 漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上飲む人は、1回の量を減らすことが大切です。 ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで10g近い塩分をとってしまいます。 一方で野菜をたくさん食べてカリウムを摂取すると、塩分が排泄されやすくなります。 また血管を丈夫にするために、たんぱく質・カルシウムを積極的に摂取することも大切です。
日本人の食事摂取基準(2015年版)
食塩相当量 | 18歳以上男性 | 18歳以上女性 |
8.0g/日未満に改定 | 7.0g/日未満に改定 |
食塩摂取量を抑えるには薄味に慣れることと言いますが、加工食品に頼らざるを得ない現代社会では、なかなか難しいと思います。
高血圧症の95%は原因を特定できない本態性高血圧であり、その背景には遺伝的体質に塩分の過剰摂取・肥満・飲酒・その他の生活習慣要因などが複合的に重なっていると考えられ、
メタボリックシンドロームとも関係の深いものです。 残りの5%は特定の病気が原因となって引き起こされる高血圧で、二次性高血圧と呼ばれます。 睡眠時無呼吸症候群でも高血圧を合併します。
1-2 脂質異常症の対策
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-013.html
血中LDLコレステロールを下げるためには、体重を適正にし、コレステロール摂取量と飽和脂肪酸の摂取量を制限し、食物繊維を積極的に食べるようにします。 トリグリセリドを下げてHDLコレステロール濃度をあげるためには、体重を適正にし、糖質とアルコールを制限して、n-3系多価不飽和脂肪酸を確保します。 高カイロミクロン血症の場合は特殊食品の利用も考えましょう。
食生活の改善は長続きできることが肝要ですから、おいしく楽しく食べられる工夫もしましょう。 日本人が伝統的に摂取してきた、精白度の低い穀類・大豆・魚・野菜・果物・海藻・きのこなどを組み合わせた日本食で食べることがお勧めです。
◎豆知識 果糖と中性脂肪
血糖値は血中のブドウ糖の濃度なので、果糖が直接的に血糖値を上げることはありません。 しかし糖新生によりブドウ糖に変換されます。 過剰な糖質は肝臓でトリアシルグリセロール(中性脂肪)に合成され、高中性脂肪血症となり肥満をきたすおそれがあります。
1-3 糖尿病の対策
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-004.html
糖尿病の食事療法は、正しい食習慣により過食を避け偏食せずに規則正しい食事をすることで、特別な食事をすることではありません。
以上のように様々な成人病についてお話しましたが、いずれも日々の食生活が密接に関係しているのは明白です。 食生活を変えるのは容易なことではありませんが、出来ることから少しずつでも始めてみるのが良いでしょう。
成人病予防や対策には、様々な栄養素を積極的に摂取することが重要であることは述べましたが、栄養素を手軽に摂取するのにドライフルーツやナッツを活用するのはいかがですか?
これまでにもドライフルーツやナッツの栄養素や特徴などについて紹介しております。
是非参考になさって下さい。
カリウム
摂りすぎた塩分を体外に排出する働きを持つ = 高血圧対策
■あんずの豆知識 弊社ウェブサイト内特集ページ
アプリコットに含まれる特筆すべき栄養素(カリウム・食物繊維など)について
■ドライフルーツとナッツで夏バテ熱中症対策 2012.7.12掲載
ドライフルーツ、ナッツのカリウムなどミネラルの含有量について
食物繊維
LDLコレステロールの減少を促進する = 脂質異常症対策
食物繊維などの栄養価の含有量を、野菜とドライフルーツで比較
■ヨーグルトとドライフルーツ 2013.6.18掲載
乳酸菌の働きを助ける食物繊維の量を食品別に比較
n-3系多価不飽和脂肪酸
HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす = 脂質異常症対策
ナッツに含まれる良質な脂肪酸について
咀嚼
満腹感により食べ過ぎを抑制する = 過食対策
咀嚼の主な効用について