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【栄養成分表示の豆知識】

豊かな食生活によって健康に気を配る人が増えたことで、 単なる嗜好品から健康的な食品としてドライフルーツやナッツが注目されて3~4年が経ったように思います。 消費者庁のアンケート(平成23年12月 対象者1,083人)によると、 加工食品を購入する際、商品を選択するために栄養成分表示を参考にする人は23.1%、 ときどき参考にする人は35.9%、合計59%いるそうです。

この栄養成分表示は、メーカーが消費者に知らせたい栄養成分だけを自由に記載できるわけではなく、 現行の栄養成分表示は平成7年の栄養改善法(平成14年8月廃案となり、健康増進法に移行)の一部改正から、 栄養表示する際に表示しなければならない栄養成分として、 ①エネルギー、三大栄養素(②たんぱく質、③脂質、④炭水化物)及び⑤ナトリウムを挙げ、この順番に表示することとしています。 もし栄養成分を載せたければ、この5つは必ず表示しなければなりません。
この5つの栄養成分が選ばれた理由を調べると、簡単に言えば、当時の栄養改善法の栄養表示基準では、 国民の栄養摂取の状況からみて欠乏や過剰摂取が国民の健康の保持増進に影響を与える栄養成分を選定したようです。

消費者庁が今年の7月7日に公表した「食品表示基準(案)」では、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、 ナトリウム(「食塩相当量」で表示)を表示義務とする案が検討されております。
ナトリウムを「食塩相当量」で表示するのは、消費者にとってナトリウム含有量のみの表示から食塩相当量を理解するのは難しく、 一般的に食塩相当量を用いた栄養指導が行われていることから、消費者の理解しやすさを考えてのことのようです。

これら栄養成分の表示を義務とする理由については、以下の表をご覧ください。

■栄養素 ■特徴 ■理由
①エネルギー・・・ 適正体重の維持が推奨される中、各種疾病のリスクファクターである肥満について、
特に20~60歳代の男性肥満者の割合は増加傾向が鈍化
〔A、B、C〕
②ナトリウム・・・ 高血圧予防の観点で我が国の健康・栄養政策として重要度が高い栄養成分であるが、
目標量以上をとっている人が7割以上存在
〔A、B、C〕
③脂質・・・ 脂質の取り過ぎは動脈硬化等心疾患のリスクを促進することから、適切な脂肪エネ
ルギー比率での摂取が推奨されるが、目標量を超える人が約半数存在
〔A、B、C〕
④炭水化物・・・ 最も主要なエネルギー源であり、摂取割合が最も多い
〔C〕
⑤たんぱく質・・・ 人の体の組織を構成する主要な栄養素である 〔C〕
引用資料:消費者庁食品表示企画課 平成25年12月4日 栄養表示の対象成分について

A.栄養摂取状況から欠乏や過剰等の問題があると考えられたもの。

B.我が国の健康・栄養政策において、国民の健康の保持増進に影響を与えている栄養成分として、
目標が掲げられている栄養成分のうち、国民の栄養摂取状況から問題があると考えられるもの。

C.健康・栄養に関する基本的な知識として、すべての国民が知っておくべきであると考えられるもの。

また、表示義務ではありませんが、飽和脂肪酸、食物繊維が任意(推奨)表示として検討されています。

飽和脂肪酸はエネルギー源として大切な脂肪酸ではありますが、中性脂肪やコレステロールを増加させる働きがあるため、 血中に増えすぎてしまうと動脈硬化の原因になります。現代人はこの飽和脂肪酸を摂りすぎる傾向にあるため、摂取を控えたほうが良いとされております。 脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がありますが、これらの脂肪酸をバランス良く摂りたいものです。

食物繊維は食物中に含まれている、人の消化酵素で消化することのできない物質のことで、整腸作用などが注目されております。また、脂質異常症(高脂血症)、便秘、肥満、糖尿病、高血圧など生活習慣病の予防にも役立つことがわかってきています。

脂肪酸、食物繊維に関してはNEWS「ナッツと脂肪酸」、NEWS「野菜とドライフルーツ」をご参照ください。

新しい成分表示の詳細は未だ決まっておりませんが、その必要性が少しは分かった気がしました。





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