9月1日は防災の日です。9月1日に制定されたのは1923年の関東大震災が発生した日にちなんだそうです。
つい先日もイタリア中部で「町の半分が失われた」ともされる大地震が発生しました。国内でも今年4月に熊本で大地震が起きたことは記憶に新しいかと思います。大災害はいつ、どこで起こるかわかりませんので、他人事ではありません。
大災害が発生した直後はライフラインがストップし、水道・電気・ガスが使用できなくなる可能性があるため、もしものときの備えが重要です。かつては防災袋などに最低限の水や食料(乾パンなど)などを用意しているだけでしたが、東日本大震災以降、災害時に備える考え方も大きく変わってきました。
2013年3月に掲載した「ローリングストック」では日常的に非常食を消費しながら買い替えて、常に非常食が備蓄されている状態にする方法をご紹介しました。
ローリングストックは非常食を定期的に食べながら備蓄を切らさないようにストックし、備蓄品の期限切れを防ぐという考え方です。また日常的に非常食を食べ慣れていることで、食べ慣れない非常食(乾パンなど)より安心して非常時の食事を摂ることができるメリットもあります。
前回ローリングストックの記事を掲載してから3年経ち、消費者の非常食に対する意識もより高まっています。大手企業も定番商品の包装資材などを改良した長期保存タイプを発売したり、温めたり水を使わなくてもおいしく食べられる保存期間の長いレトルト食品などの種類も増えているようです。
非常時で仕方がないとは言え、食事がレトルト食品ばかりになれば様々な弊害も懸念されます。ライフラインがストップしたときのために備蓄しておきたい非常食として、保存期間の長いドライフルーツは良くピックアップされます。ドライフルーツは保存期間が長いという面だけではなく、非常時だからこそ有用性のある面も多くありますのでご紹介します。
<塩分排出のためにDASH食>
レトルトの加工食品は味が濃くなりがちなので、塩分の摂りすぎが心配です。日本人の塩分摂取目標量は男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満。いくつかのレトルト食品の塩分相当量を調べましたが、多くが一食分で2.5~3.0g程度となっていました。
高血圧の予防・改善に注目されている「DASH食」は高血圧に大敵のナトリウム(塩分)を排除するカリウムを多く含む野菜・果物類などを多く摂る食事法です。
ドライアプリコット、プルーン、デーツ、いちじくなどには過剰摂取したナトリウムの排出を促すカリウムが多く含まれます。
※ドライフルーツの栄養素については、当コラムでも過去に紹介しております。是非ご参照下さい。
「野菜とドライフルーツ」
ビタミンやミネラルの栄養素の含有量を野菜とドライフルーツで比較
「ドライフルーツとナッツで夏バテ熱中症対策」
ドライフルーツのミネラル含有量と摂取基準
「ヨーグルトとドライフルーツ」
ドライフルーツに含まれる食物繊維の量
非常時には生の野菜や果物を摂ることが困難になります。カリウムだけでなく、ビタミンやミネラルが凝縮されたドライフルーツは非常食としても有用です。食物繊維も多く含まれるので、食事が偏る非常時の便秘解消にも役立つはずです。また、おやつとしても食べられるドライフルーツの自然な甘味や酸味は非常時のストレス軽減になり、沈んだ気分を明るくしてくれるのではないでしょうか?
<良く噛んで満腹感を得る>
レトルトの非常食などはとても食べやすいかと思いますが、食べやすさを追求すれば食感は柔らかいものになりがちです。反面、柔らかいものはあまり咀嚼しないので、満腹感が得られません。非常時に必要な食糧の備蓄は最低限3日分、理想的には1週間分と言われます。家族全員分の備蓄食料で考えるとかなりの量になりますので、備蓄できる量にも限りがあるため無駄にすることは出来ません。満腹感を得るためには良く噛んで満腹中枢を刺激することが重要です。
ドライフルーツは程よい歯ごたえがあり、良く噛んで食べるので満腹感が得られます。
ガムやグミなどで空腹を紛らわせることは、非常時に食事を節約するための一つの手段のようです。ドライフルーツは良く噛んで食べることで満腹感が得られ、ガムやグミに比べて栄養も摂取できるので一石二鳥ではありませんか?
もしものときに備えたバランスの良いローリングストックを考えるのであれば、ドライフルーツを備蓄食料に加えることを忘れずに!
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