ドライプルーンは有名ですが、意外と知らないことが多くあり、心の中にモヤっとしたものがありました。
先日、カリフォルニアプルーン協会からドライプルーンについての小冊子を頂きましたので、その中から抜粋してご紹介したいと思います。
<起源>
生のプルーンを乾燥させてドライプルーンを作る作業は、数千年前にカスピ海付近で始まったと考えられています。
この地域はドライプルーン用の欧州品種の原産地でもあります。
ドライプルーンはすべてプルーン果実でできていますが、果実がすべてドライプルーンにはならず、現在栽培されているプルーン125品種のうち、ドライプルーンに加工できる品種はごくわずかです。
<カリフォルニアプルーンの誕生>
19世紀ごろにピエール・ペリエが母国のフランスからカリフォルニアにプルーンの樹の枝(フランス原産:ダジャン種という小粒のプルーン) を持ち込み、カリフォルニアの野生プルーンの根株に接ぎ木されたころにさかのぼります。
「PRUNE」の語源は、フランス語でこの植物を指す「PRUNEAU(プルノー)」に由来します。
◆生のプルーンをドライプルーンにした目的
1.保管と貯蔵を簡単にする。
2.冷蔵を不要にする。
3.年間を通じて供給可能にする。
4.栄養素を凝縮する。
5.風味と味わいを高める。
などがあります。
ドライプルーンは甘いからということで、気になることを2つ取り上げたいと思います。
<食べたら太る?>
ドライプルーンを食べたからといって太ることはありません。
むしろ繊維の豊富な食事を摂ることで消化速度が抑えられ、満腹感が高まるでしょう。
カリフォルニアドライプルーンのGI値は29±4と低く、ドライプルーンに含まれているペクチンは糖が血中に放出されるのを遅らせる働きがあります。※食べ過ぎは駄目です。
<虫歯になる?>
ドライプルーンに含まれる糖類は主にフラクトースとグルコースです。食品に含まれる糖類のうち歯の表面に歯垢菌を付着しやすくする主な糖類はスクロースですが、プルーンの乾燥プロセスで加水分解されてグルコースとフルクトースに変化します。
グルコースとフルクトースは、歯垢の基質の前駆物質として利用されることがありません。ドライプルーンは非発酵性の糖アルコールであるソルビトールも含有します。
ドライプルーンの摂取が歯垢のpHに与える影響を測定する研究では、パイロット試験で得られた予備的結果から、ドライプルーン1SV(40g)を摂取してから30分経っても歯垢の酸生産は促進されないらしいことがわかりました。つまり、虫歯のリスクを上昇させる危険性のあるレベルまで歯垢のpHは下がりませんでした。
なんだか専門的な用語が多くてわかりにくいと思いますが、「太る」とか「虫歯になる」というのはプルーンだけで起こるわけではなさそうです。この小冊子にはもっといろいろなことが書いてあるのですが、長くなってしまうので、今回はこのへんで。
最後に、プルーンの簡単なレシピを紹介します。
≪プルーンヨーグルト≫
材料:ヨーグルト、プルーン
ヨーグルトにプルーンを入れて混ぜる。
(プルーンをスプーンで潰してヨーグルトとよく絡めます。)
ヨーグルトの酸味とプルーンの甘味が相まって毎日のヨーグルトがさらにおいしくなります。
とても簡単で、健康的だと思うので是非お試しください。
■参考文献
HANDBOOK OF SCIENTIFIC INFORMATION ON NUTRITIONAL AND HEALTH BENEFITS OF
PRUNES
発行者:カリフォルニアプルーン協会 発行日:2008年11月
※健康効果について
プルーンの健康効果に関する決定的な証拠はないものの、食物に含まれる栄養素やファイトケミカルなどの健康効果の研究は行われています。
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