2020年4月1日より、特定原材料に準ずるものとしてアーモンドが追加され、クルミ、カシューナッツに続き、
ナッツ類では3品目となりました。(落花生は木の実類とは別に分類されてます)
気になったので、食物アレルギーの患者数について調べてみました。
③年齢別原因物質(各年齢群で5%以上を占める原因食物を示した)
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1 |
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鶏卵 |
牛乳 |
鶏卵 |
小麦 |
2 |
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牛乳 |
鶏卵 |
牛乳 |
甲殻類 |
3 |
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小麦 |
木の実類 |
木の実類 |
魚類 |
4 |
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小麦 |
果物類 |
果物類 |
5 |
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落花生 |
大豆 |
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小計 |
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85.0% |
79.3% |
66.0% |
60.9% |
年齢が上がるにつれて、上位5品目の割合が低下するということは、アレルギー原因食物の多様化が指摘されている。
④出現症状(どんな症状か)
a)分類
皮膚症状 86.6%
呼吸器症状 38.0%
粘膜症状 28.1%
消化器症状 27.1%
ショック症状 10.8%
年齢の中央値は3歳、平均8.3歳、全体の3/4が5歳以下。
b)ショック症状の原因食物
鶏 卵 23.9%
牛 乳 22.5%
小 麦 16.6%
木の実類 12.8%
落花生 7.3%
甲殻類 3.6%
果物類 2.9%
そ ば 2.7%
魚 卵 2.3%
魚 類 1.9%
大 豆 1.0%
その他 2.7%
⑤アレルギー表示に該当する原因物質の割合
a)即時型症例4,851名において
特定原材料 7品目 77.0%
特定原材料等20品目を含めると 94.5%
b)ショック症例524名において
特定原材料 7品目 76.5%
特定原材料等20品目を含めると 94.0%
⑥特筆
a)学童期の初発原因食物は引き続き果物類が多く、次いで甲殻類、木の実類が多かった。果物類はキウイフルーツ、バナナ、バラ科果物の頻度が上位を占めたが、これはPFAS(Pollen
Food Allergy Syndrome:花粉食物アレルギー症候群)の患者増加に関連していると考えられた。
b)初発原因食物の頻度は世代によって大きく異なる。
c)平成29(2017)年調査により現行の食品表示法に基づくアレルギー食品表示の妥当性は支持されたが、クルミを筆頭に木の実類の即時型アレルギーの健康被害が大幅に増加していることが明らかになった。
d)果物について、EU、米国、CODEXでは、対象食物となっていない。
e)別の調査の考察では、アレルギー患者数は乳幼児期が最も多く、年齢があがるにつれて減少する(成人期では5.4%)。これは、耐性を獲得したことと、すでに食品を回避しているために即時型症状を起こさず、受診する者が減少するためと考えられる。
f)別の調査では、保護者の自己判断で食物アレルギーと考え、意図的に食品を除去していることが明らかになった。特定原材料等の表示が、過剰な食品の回避につながり、乳児期の離乳を過度に遅らせるなどの行為となることが危惧される。
アレルギー調査については複数ありますが、「自己申告」と「医師の判断」が混在していたり、症状が軽いために受診しないこともあり、厳密な患者数を調査するには限界があるようです。いずれにせよ、アレルギーを持つ人が増加していることは明らかです。気候変動により災害も増加していることから、非常時に彼らが必要とする食品をどのように提供するかは大きな課題です。
SDGsが流行ってますが、災害時の食事は、SDGsの目標1の5
「2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。」
に関係していると思います。
ナッツや果実には、食物アレルギー特定原材料に準ずるものが多くありますが、アレルゲンを含まない果実が原料のドライフルーツも複数あります。災害時はその保存性と栄養価が有用となるはずです。
災害時の食事については、当新着情報にてこれまでも取り上げておりますのでご参照下さい。
2016年9月1日掲載
非常時に備えドライフルーツを
2013年3月15日掲載
ローリングストック
また、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任 持続可能な消費と生産のパターンを確保する」ではフードロスについての目標が設定されています。
目標12の3 「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。」
ドライフルーツはその保存性の高さからフードロスに貢献する食品です。
フードロスについても過去に取り上げておりますので、是非ご一読下さい。
2014年7月24日掲載
「もったいない」をもういちど
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