【食品表示基準~栄養成分表示】

2015年3月20日に食品表示基準が公布され、2015年4月1日に食品表示法が施行されました。

これまで「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」の3法にまたがって定められていた食品表示関連58本の表示基準が一元化され、これまで複雑でわかりにくいと言われていた制度が、消費者にも事業者にもわかりやすいものになったと言えます。

施工はされましたが、経過措置期間として、加工食品および添加物は5年間、生鮮食品は1年6か月間が設けられていますので、徐々に新しい表示へと移行していくことになります。

現行制度からの主な変更点のなかで、今回は栄養成分表示に関する部分をクローズアップしてみました。

◆栄養成分表示の義務化◆
当社のコラムでも2014年9月30日にご紹介した【栄養成分表示の豆知識】では未だ検討段階でしたが、食品関連事業者に対し、原則として全ての消費者向けの加工食品および添加物への栄養成分表示が義務付けされました。

【義務】
エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(「食塩相当量」で表示)

ナトリウムの表示は、消費者にとってなじみが深く、理解しやすい「食塩相当量」での表示となりました。食塩相当量を〔ナトリウム量(mg)÷1,000×2.54〕と、いちいち計算するのは面倒なので、消費者にやさしい表示ですね。
また、ナトリウム塩を添加していない商品に限って、任意でナトリウムの量を表示することが可能です。その場合はナトリウム量の次に括弧書きで食塩相当量を表示します。

【推奨】
飽和脂肪酸、食物繊維


飽和脂肪酸は摂取量が多くても少なくても、生活習慣病のリスクを高くすることが示唆されており、国民の約半数が目標値の範囲を外れていると言われています。
食物繊維も摂取不足による生活習慣病の発症が関連すると報告されており、国民の半数以上が、目標量を摂取できていないと言われています。
両方とも、近年日本では消費者が生活習慣病との関連性を考えて注意して摂取しなければならないものとして認識されているものです。

栄養成分表示の検討段階では、
① 消費者における表示の必要性(国民の摂取状況、生活習慣病との関連)
② 事業者における表示の実行可能性
③ 国際整合性

以上の3点を勘案し、①~③の全ての観点を満たすものは「義務」、①の観点を満たすものは「推奨」、①の観点を満たさない場合は「任意」の表示項目とされたようです。

事業者における表示の実行可能性が判断される際、飽和脂肪酸、食物繊維ともに表示義務のものと比べ、合理的な推定を行うための書籍・文献等が充実していないということで、義務表示は見送られたようです。

ところで、脂肪酸といえば先日報道された米国での「トランス脂肪酸禁止」のニュースが記憶に新しいと思います。トランス脂肪酸に関しては、2000年から02年の米国人1人当たりの1日摂取量は5.6グラム、総エネルギーの2.2%に対して、日本人の摂取量は1日平均0.7グラム、総エネルギーの約0.3%とWHOの目標(総エネルギーの1%未満)を大きく下回っていため、日本では通常の食生活では健康への影響は小さいとされています。米国で禁止されたことで、日本は禁止しなくて大丈夫なのか?という風潮の報道がされていましたが、米国と日本では摂取状況が違うことはあまり取り上げられていませんでしたね。

トランス脂肪酸に関しては、当社のコラム【気になるトランス脂肪酸】でご紹介しております。このなかでも触れておりますが、日本人にとってはトランス脂肪酸より食塩の取り過ぎの方が問題です。その点では、今回の「ナトリウム」から「塩分相当量」での表示としたことは、日本人の摂取現況に合わせた良い変更点ということになります。

ちなみに、今回は推奨、任意とされた飽和脂肪酸、トランス脂肪酸は世界的に見ると、栄養表示を義務化しているほとんどの国で義務表示とされているようです。日本では事業者における実行性が困難であったり、摂取量に切迫した問題がないなどの理由で義務化されてはおりませんが、将来的に義務化をされることも検討されているようです。 (食物繊維が義務化されているのは主に北米・南米地域で全世界的ではありません)

当社でも、これまでドライフルーツの栄養成分に関するコラムを数多く紹介しております。 各ページへのアクセス情報を集計しておりますが、ドライフルーツの栄養成分に関する記事はアクセス数も多く、皆様の関心も非常に高いことが伺えます。

これまでのコラムで栄養成分に関する記述のあるものを一覧にまとめました。改めてドライフルーツの栄養成分について再認識いただければ幸いです。

「野菜とドライフルーツ」 野菜とドライフルーツの栄養価の比較
「橙色のβカロテンパワー」 ドライアプリコットのβカロテンの含有量について
「ビタミンA摂るならβカロテン」 ビタミンAの働きとβカロテンとの関係
「ドライプルーンの豆知識 PART2」 プルーンの食物繊維含有量と、その働きについて
「ドライフルーツとナッツで夏バテ熱中症対策」 ドライフルーツ・ナッツのミネラル含有量
「80kcalの栄養価」 ドライフルーツ80kcal分の分量と、その栄養成分
「ヨーグルトとドライフルーツ」 乳酸菌を活躍させる食物繊維の含有量
「取り過ぎ注意!」 過剰摂取に注意が必要な栄養素について