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新着情報 2023.04.14
抗酸化物質とは?
抗酸化物質は何千種類もの存在が確認されており、何によって分類するかによって様々なグループに分けられるようですが、一般的に知られている「ポリフェノール」は、化合物の構造によって分けられたグループの中に含まれています。専門的に言いますと、ポリフェノールとは、化学的には、ベンゼン環に複数の水酸基あるいは水酸基に変わりうる側鎖が付いた化合物の総称です。また、ポリフェノールは植物が紫外線のエネルギーや病害虫、細菌から自らを護るために作り出す成分です。
ところが10年ほど前(1997年前後と思われます)に、ある企業が消費者に親しみをもたせるため、抗酸化能を示す食品成分の代替名称として使い始めました。以来、水酸基が一つのフェノール、シクロヘキサンに水酸基が付いたものをもポリフェノールと誤解されるようになったとのことです。
と書かれていましたが、化学が苦手な私では、さっぱり分かりません。簡単に言いますと、抗酸化物質とポリフェノールの関係は以下の図のような感じになります。β-カロテンはポリフェノールと混同されることもありますが、化合物の構造で分けると異なります。
※抗酸化物質全般について体系的に書かれている文献が見つからないので、簡略な図となります。
ドライフルーツでは、ブルーベリーに含まれるアントシアニンはポリフェノールの一種ですが、アプリコットに含まれるβ-カロテンはポリフェノールではない(カロテノイド類)。でも、両方とも抗酸化物質の一種であるということが、この図を見て良くわかりました。
引用・参考文献
・天然抗酸化物質の吸収と代謝
著者:東北大学大学院農学研究科 宮澤 陽夫, 仲川 清隆, 浅井 明
・抗酸化食品成分と酸化的なDNA損傷
著者:独立行政法人国立健康・栄養研究所 梅垣 敬三
・植物性食品の非栄養性機能成分ポリフェノール
著者:神戸大学大学院農学研究科 金沢 和樹
・食品の機能性成分と植物の二次代謝
著者:日比野 久美子